デーツ詳細

 

デーツと聞くと、砂漠にある湖のほとりに、2本のヤシの木が立っている映像が思い浮かびます。イラン南部のケルマーン州、ホルモズガーン州では今でもこのような風景が見られますが、昔と比べれば減ってきています。現在目にする風景は、綺麗に整備された数千ヘクタールのヤシの木農園です。イランのデーツの生産量はイラクに次いで世界第2位でしたが、近年イラクの生産量が低下しているため、1位の座を占めています。 

 

 

デーツは文化的価値と宗教的価値の2つでイランと密接な結びつきがあります。イランでは何世紀にも渡ってお祝い事、宗教行事、さらに葬儀において、デーツが様々な形で使われてきました。私たちの地域では、お正月用のお菓子としてデーツを使ったクッキーを作るのが伝統になっています。お葬式では特別なケーキとデーツを振舞います。こうした習慣から見て、ペルシア人(イラン人)はデーツをただのフルーツではなく、神聖な果物であると考えていることが分かります。また、コーランにはデーツは聖なる果物と記されています。

水分量:
デーツは乾燥した砂漠で育つフルーツなので、水分量が低いです。ほとんどの果物は水分が75%~95%ありますが、新鮮なデーツであっても水分は30%未満しかありません。

デーツの分類:
ドライ:水分が15%以下の熟したデーツ
セミドライ:水分が15%~18%の熟したデーツ
フレッシュ:水分が18%~35%の熟したデーツ

 

用途:
缶詰、アルコール・ノンアルコール飲料、ソース、ベーカリー、チョコレート、ナッツ、様々な料理のアクセントに

イランのデーツの産地:

イラン全土には400種以上のデーツがありますが、そのうち商業価値があるのはごく数種類です。一般的に、デーツは水分量に応じてドライ、セミドライ、フレッシュの3つのグループに分類されます。イラン各地の気候は特別な種類のデーツを栽培するのに適しています。ケルマーン州はピアロム、マザファティ、ケルーテ、ファレコンという種類のデーツを生産しています。フーゼスターン州、ブーシェフル州ではシャハニ、サイヤー、カブカブ、ザヘディのような種類が栽培されています。イランの主な生産州とシェアは、ホルモズガーン(21.6%)、ケルマーン(21.1%)、フーゼスターン(17.6%)、ブシェール(13.4%)、ファールス(12.3%)、シースターン・バルーチェスターン(12.2%)です。

 

デーツの種類:

パリズナッツではピアロム、サイヤー、ピアロムの3種類を販売しています。

ピアロムデーツ

ピアロムデーツはセミドライのグループに属し、その形と味から、国際市場ではチョコレートデーツと呼ばれています。ピアロムは世界で最も高価で贅沢なデーツです。

ピアロムの皮は非常に薄くしっかりしていて、手で触っても容易に剥がれません。そのため、収穫後綺麗に洗浄することができます。ピアロムの原産地はケルマーン州南部、ホルモズガン州北部に位置するハジ・アバッドという地域です。この地域の乾燥した暑い気候がピアロムの栽培に適しています。ハジ・アバッドには数種類のデーツを栽培する畑が約4,000ヘクタールありますが、実にその半分がピアロムデーツの畑です。ハジ・アバッドのピアロムデーツの生産量は年間1万トンを超え、主にヨーロッパに輸出されています。

栽培と増殖:
ピアロムは苗木を介して増殖します。苗木は母樹と共に成長するので、移植する際に母樹から切り離します。一つ間違えれば母樹と苗木の両方に悪影響が出てしまうため、これの作業は慎重に行います。苗木を母樹から切り分けたら、別の土地に穴を掘り、柔らかい土をかけます。強風から苗木を守るため、高さ15cm以上の土で根を覆います。また、直射日光を避けるため、ヤシの木の葉で苗木の外側を覆います。

灌水:

苗木を移した直後に灌水を行うことが重要で、初めの数ヶ月は苗木周辺の土壌を常に湿った状態にしなければなりません。1年目は定期的な灌水が不可欠ですが、樹齢を重ねる毎に木は強くなり、必要な水量が減っていきます。通常、ピアロムの苗木が十分に成熟するまでに約10年かかりますが、これは各地域の気候と土壌によって異なります。例えばハジ・アバッド北部(デへスタン村)では、他の地域よりも気候が涼しいため成熟に10年以上かかります。ハジ・アバッドでは冬は灌水のため川の水を使用しますが、夏は川が殆ど干上がってしまいます。そのため、夏は地中から採水した水をいくつかの配管システムで畑に運んでいます。通常、夏の間に34回灌水を行います。ハジ・アバッドのほとんどの栽培者は配管システムとドリップ灌漑を使用していますが、一部の栽培者は湛水灌のような伝統的なシステムを使用しています。

授粉:
デーツの木には雄雌があり、実を付けるためには授粉作業が必要です。これは機械ではできないため、全て手作業です。花が咲くのは2月から3月の終わりで、この時期に雄の木から花を切り取り、それを雌の木の花の真ん中に入れ込みます。これは昔から続く受粉方法です。

肥料と農薬:

デーツを収穫した後の秋に、自家製または地元の牧場から購入する動物由来の天然肥料を撒きます。ヤシの木1本につき約10から15キロの肥料を撒いて、根の周りに押さえつけます。 良い収穫のためには、2年ごとに肥料を撒く必要があります。

1.生物学的方法:害虫の天敵となる 4種類の虫を使って駆除します。いくつかの農園がこの対策をとっています。

 

2.人為的方法:受粉作業の後、ネットでデーツの枝を3045日間カバーします。こうすることで、害虫がデーツに触れ、産卵することを防ぎます。これは最も一般的な方法です。 また、枯れた葉を取り除き、農場や樹木の周りの環境を清潔に保つことで、害虫の発生を防ぐ事ができます。

収穫:
デーツが収穫できるようになるまでに、果実は4つのステージを通過します。各ステージで実の色と状態が変化し、地元の人々はそれらを特定の名前で呼んでいます。
ステージ
1:果実は緑色で、まだ硬いです。
ステージ
2:色が緑色から黄色、次にピンク、最後は赤色に変わります。 このステージは約6週間続きます。
ステージ
3:色が茶色に変わり、水分量が高くなり、実は柔らかく、食べることができます。
ステージ
4:水分量が低くなり、色が茶色から焦げ茶色に変化します。このステージに移り、熟した実が収穫できるようになるまで約4週間かかります。

 

 

どんな作物でも同じですが、デーツ農家にとって収穫は最も楽しみな作業です。ピアロムの収穫は秋、10月初旬から11月末までに行われます。ヤシの木に登り枝を切り取り、それをロープを使って地上に送ります。それをコンテナに入れて作業場へ移し、枝からデーツの実を切り離します。

その後、欠陥のあるデーツ(鳥や昆虫物によって損傷を受けたものなど)が分離され、その残りをパックします。欠陥がなかったデーツを機械設備のある倉庫に移し、洗浄し、磨きます。この作業を行うことによって、デーツに付着した全ての汚れが除去されます。この後デーツをベルトコンベアに移し、形や色に欠陥がないかチェックし、同時にデーツをサイズ毎に分けます。この作業を2回繰り返した後、梱包作業を行います。標準梱包は10キロカートンですが、ご要望に応じて他の梱包方法も可能です。

サイヤーデーツ

パリズナッツのサイヤーデーツは、イランの南西に位置するシェーデガン産です。この町はテヘランから971km、アーワズから90kmの距離にあります。イラク国境に近いことから、シェーデガンの人々は主にアラビア語を話し、詩に興味があることで有名です。 地元の人々の殆どが農業従事者です。サイヤーデーツは地元の農家が栽培する最も一般的な種類のデーツです。シェーデガンには20万本のヤシの木があり、毎年5万トンのサイヤーデーツを生産しています。この地域にはカールーン川とジャラヒ川という大きな河川が2つあります。シェーデガンでは主にジャラヒ川の水を使って灌水しています。

肥料:
シャーデガンでは自然肥料(動物肥料など)を使用しています。

農薬:
栽培中、農薬は使用しておりません。

デーツの質と樹齢の関係:
ヤシの木は80年から100年と長い寿命を持ち、苗木を植えてから5年後以降に実をつけ始めます。樹齢5年から20年の木から取れるデーツが質が高いと言われます。それ以降は木が古くなるにつれて品質も低下していきます。

デーツを木箱に入れて農園から工場に運びま

選別機械


選別作業

梱包


ガスルーム

圧縮タイプもございます


マザファティデーツ

ケルマーン州バムが原産地のマザファティデーツは、乾燥した温暖な地域で栽培されます。ハイクオリティーでありながら価格がリーズナブルなため、イラン国内だけでなく世界でも人気のあるデーツです。マザファティデーツは完全に熟す前に収穫するため、甘すぎないのが特徴です。色は紫がかかった黒で、水分量は栽培地の気候により15%~35%と異なります。サイズは4.5センチから5.2センチ程度です。

 

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